技術士 過去問
令和3年度(2021年)
問30 (基礎科目「環境・エネルギー・技術に関するもの」 問30)

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問題

技術士試験 令和3年度(2021年) 問30(基礎科目「環境・エネルギー・技術に関するもの」 問30) (訂正依頼・報告はこちら)

日本の科学技術基本計画は、1995年に制定された科学技術基本法(現、科学技術・イノベーション基本法)に基づいて一定期間ごとに策定され、日本の科学技術政策を方向づけてきた。次の(ア)〜(オ)は、科学技術基本計画の第1期から第5期までのそれぞれの期の特徴的な施策を1つずつ選んで順不同で記したものである。これらを第1期から第5期までの年代の古い順から並べたものとして、最も適切なものはどれか。

(ア)ヒトに関するクローン技術や遺伝子組換え食品等を例として、科学技術が及ぼす「理的・法的・社会的課題」への責任ある取組の推進が明示された。
(イ)「社会のための、社会の中の科学技術」という観点に立つことの必要性が明示され、科学技術と社会との双方向のコミュニケーションを確立していくための条件整備などが図られた。
(ウ)「ポストドクター等1万人支援計画」が推進された。
(エ)世界に先駆けた「超スマート社会」の実現に向けた取組が「Society5.0」として推進された。
(オ)目指すべき国の姿として、東日本大震災からの復興と再生が掲げられた。

  • イ → ア → ウ → エ → オ
  • イ → ウ → ア → オ → エ
  • ウ → ア → イ → エ → オ
  • ウ → イ → ア → オ → エ
  • ウ → イ → エ → ア → オ

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

これは難問だと思います。科学技術・イノベーション基本法の詳細について問われたケースは過去になかったうえに、技術史よりも年代のさもなく、さらに第一期から時系列にまとめられた資料のようなものはありませんでした。

ぱっと見ではエ(Society5.0)が最後だろう、とぐらいしかわかりません。

順番に見ていきましょう。

第1期:研究資金の拡充やポストドクター1万人計画、産学官の人的交流

主に学術研究に焦点が当たってたようです。

第2期:科学技術と人間、社会の関係、社会のための、社会の中の科学技術

主に社会と科学技術を総合的、俯瞰的にとらえるというところに焦点を当てていたようです。

第3期:イノベーションの推進や社会国民に支持される科学技術(科学技術の倫理法的社会的責任

生命倫理の問題としてクローン技術が1行程度記載がありました。。。

第4期:震災復興と国際活動の戦略的転回

こちらはわかりやすく震災復興を施策としておりました。

第5期:人材強化と超スマート社会(Society5.0)

同じくSociety5.0の実現を目指すとしてありました。

第6期:引き続きSociety5.0とSDGs

だそうです。

したがって並べ替えるとウ → イ → ア → オ → エになります。

今回回答を作成するにあたってかなり調べる必要があったため、試験中でこれを解くのは難しいと思われます。来年度以降同じ問題が出たら…というぐらいでしょうか。

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02

科学技術基本計画に関する問題ですが、これを事前に予測するのは厳しいかと思います。

選択肢4. ウ → イ → ア → オ → エ

第1期:ポストドクター1万人計画 ウ

第2期:社会のための、社会の中の科学技術という観点に立つことの必要性 イ

第3期:論理的・法的社会的課題への責任ある取組の推進 ア

第4期:東日本大震災からの再生と復興 オ

第5期:Society5.0の推進 エ

まとめ

ウイアオエとなります。

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03

我が国の科学技術基本計画は、1995年に施行された「科学技術基本法(現:科学技術・イノベーション基本法)」に基づいて、概ね5年ごとに策定されてきました。同計画では、各期ごとに、その時代の社会的・経済的背景を反映した科学技術政策が展開されています。第1期では基盤整備、第2期では社会との関係性、第3期では倫理的・社会的課題、第4期では震災復興、第5期ではSociety 5.0(超スマート社会)が科学技術政策として方向づけられてきました。

したがって、(ウ)→(イ)→(ア)→(オ)→(エ)の順に並べるのが正解となります。

本問では、同基本計画について各期ごとの特徴的な改定内容を理解していないと回答できないため、難易度は高いと思われます。

 

各期計画の解説

(ウ)「ポストドクター等1万人支援計画」が推進された。→【第1期(1996〜2000年)】

第1期では、研究開発基盤の整備と人材育成が重点課題とされ、「ポストドクター等1万人支援計画」により若手研究者の活躍を促進しました。科学技術立国を掲げ、研究基盤の強化に重きが置かれました。

 

(イ)「社会のための、社会の中の科学技術」という観点が明示された。→【第2期(2001〜2005年)】

第2期では、科学技術と社会の関係を重視し、双方向コミュニケーションの促進が掲げられました。「社会のための科学技術」という視点のもと、科学への信頼構築が課題となりました。

 

(ア)科学技術が及ぼす「倫理的・法的・社会的課題)」への取組が明示された。→【第3期(2006〜2010年)】

第3期では、生命科学の急速な進展を受け、クローン技術や遺伝子組換え食品などの倫理・法・社会的課題への対応が重視されました。科学技術の発展と社会的責任の両立が大きなテーマでした。

 

(オ)東日本大震災からの復興と再生が掲げられた。→【第4期(2011〜2015年)】

第4期は、東日本大震災の発生を受け、災害復興やレジリエンス強化が中心課題となりました。安全・安心の確保、エネルギー転換、持続可能な社会の構築が重視されました。

 

(エ)「Society5.0」として超スマート社会の実現が推進された。→【第5期(2016〜2020年)】

第5期では、第4次産業革命を背景に、ICT・IoT・AIを活用した「Society 5.0」が提唱されました。科学技術による経済成長と社会課題解決の両立を目指す計画です。

まとめ

正しい並び順は以下のとおりになります。

(ウ)→(イ)→(ア)→(オ)→(エ)

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