技術士 過去問
令和3年度(2021年)
問33 (適性科目 問33)

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問題

技術士試験 令和3年度(2021年) 問33(適性科目 問33) (訂正依頼・報告はこちら)

科学技術に携わる者が自らの職務内容について、そのことを知ろうとする者に対して、わかりやすく説明する責任を説明責任(accountability)と呼ぶ。説明を行う者は、説明を求める相手に対して十分な情報を提供するとともに、説明を受ける者が理解しやすい説明を心がけることが重要である。以下に示す説明責任に関する(ア)〜(エ)の記述のうち、正しいものを○、誤ったものを×として、最も適切な組合せはどれか。

(ア)技術者は、説明責任を遂行するに当たり、説明を行う側が努力する一方で、説明を受ける側もそれを受け入れるために相応に努力することが重要である。
(イ)技術者は、自らが関わる業務において、利益相反の可能性がある場合には、説明責任と公正さを重視して、雇用者や依頼者に対し、利益相反に関連する情報を開示する。
(ウ)公正で責任ある研究活動を推進するうえで、どの研究領域であっても共有されるべき「価値」があり、その価値の1つに「研究実施における説明責任」がある。
(エ)技術者は、時として守秘義務と説明責任のはざまにおかれることがあり、守秘義務を果たしつつ説明責任を果たすことが求められる。
  • ア:○  イ:○  ウ:○  エ:○
  • ア:×  イ:○  ウ:○  エ:○
  • ア:○  イ:×  ウ:○  エ:○
  • ア:○  イ:○  ウ:×  エ:○
  • ア:○  イ:○  ウ:○  エ:×

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この過去問の解説 (3件)

01

いずれも正しいです。

ア:言った言わない水掛け論になるかもしれませんので、ちゃんと説明は聞いてもらうようにお願いしましょう

イ:利益相反を黙っていたらあとから問題になるでしょう。

ウ:日本学術振興会「科学の健全な発展のために」にそのものズバリの文章があります。

公正で責任ある研究活動を推進する上で,どの研究領域であっても共有されるべき「価値」があ ります。「研究公正に関するシンガポール宣言」(2010 年制定)では,そのような「価値」を次の 四つの原則にまとめました。

・研究のすべての側面における誠実性

研究実施における説明責任

・他者との協働における専門家としての礼儀および公平

・他者の代表としての研究の適切な管理

エ:表裏をなしていますが守秘義務を果たしつつ説明責任を果たします。

いずれも根拠となる文献などはありそうですが、「そりゃそうだろ」で回答できる内容かと思います。

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02

説明責任、守秘義務等に関する問題です。

選択肢1. ア:○  イ:○  ウ:○  エ:○

(ア)技術者は、説明責任を遂行するに当たり、説明を行う側が努力する一方で、説明を受ける側もそれを受け入れるために相応に努力することが重要である。 正しい


(イ)技術者は、自らが関わる業務において、利益相反の可能性がある場合には、説明責任と公正さを重視して、雇用者や依頼者に対し、利益相反に関連する情報を開示する。 正しい


(ウ)公正で責任ある研究活動を推進するうえで、どの研究領域であっても共有されるべき「価値」があり、その価値の1つに「研究実施における説明責任」がある。 正しい


(エ)技術者は、時として守秘義務と説明責任のはざまにおかれることがあり、守秘義務を果たしつつ説明責任を果たすことが求められる。 正しい

まとめ

正 正 正 正 です。

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03

この設問は、技術者倫理における「説明責任(accountability)」の理解度を問うものです。以下で各選択肢の内容を順に確認していきましょう。

 

 

選択肢1. ア:○  イ:○  ウ:○  エ:○

(ア)〇

説明責任を果たす際には、説明を行う側だけでなく、説明を受ける側にも理解しようとする姿勢が求められます。つまり、技術者が分かりやすく伝える努力をすると同時に、相手も情報を正しく理解するための努力をすることが、相互理解の前提となります。したがって、説明する側と受ける側の双方向の関係性を重視した考え方として正しい内容です。

 

(イ)〇

技術者が携わる業務の中で、自己の利益と依頼者や雇用者の利益が衝突する可能性(利益相反)がある場合、透明性を確保することが重要です。そのため、関係する情報を正直に開示し、判断の公正さを保つことが求められます。これは、説明責任と倫理的な「公正さ(fairness)」の双方に深く関わる原則です。

 

(ウ)〇

研究活動においては、分野の違いに関わらず共通して尊重されるべき価値観があります。その一つが「説明責任」であり、研究者は自らの行動や成果について社会に対して説明できる立場であることが求められます。これは、「誠実さ」や「公正さ」と並び、研究倫理の基本的な柱とされています。

 

(エ)〇

技術者は時として、秘密保持の義務と説明責任の間で難しい判断を迫られることがあります。企業秘密や安全保障上の情報などは外部に漏らすことができませんが、その一方で社会的説明責任を果たす必要もあります。そのため、守秘義務を遵守しつつ、可能な範囲で説明を行うというバランスの取れた対応が求められます。

 

まとめ

以上より、(ア)〜(エ)のすべての選択肢が正しい内容となります。

本問については、常識の範囲内でも解答できる内容かと思います。

正解  ア:○ イ:○ ウ:○ エ:○

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