技術士 過去問
令和3年度(2021年)
問32 (適性科目 問32)

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問題

技術士試験 令和3年度(2021年) 問32(適性科目 問32) (訂正依頼・報告はこちら)

「公衆の安全、健康、及び福利を最優先すること」は、技術者倫理で最も大切なことである。ここに示す「公衆」は、技術業の業務によって危険を受けうるが、技術者倫理における1つの考え方として、「公衆」は、「( ア )である」というものがある。
次の記述のうち、「( ア )」に入るものとして、最も適切なものはどれか。
  • 国家や社会を形成している一般の人々
  • 背景などを異にする多数の組織されていない人々
  • 専門職としての技術業についていない人々
  • よく知らされたうえでの同意を与えることができない人々
  • 広い地域に散在しながらメディアを通じて世論を形成する人々

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

本件は難問だと思います。試験後かなり議論となっていました。

技術者倫理の関連書籍によると

「公衆」とは、情報、技術的知識、あるいは熟慮する時間を十分に持っていないために、技術者が彼の依頼者又は使用者のために行使する権限によって、多少なりとも傷付けられやすくなっている人々のことである。

とあり、「主体的判断ができず、ゆえにインフォームドコンセントを与えることができない」とされています。

回答にある「よく知らされたうえでの同意を与えることができない人々」というのは上記文献の言い換えととらえることはできますが、このような表現がされているのは平成15年の過去問題だけのようです。

ほかの選択肢は「一般人」をいろいろな言い回しにしているだけなので消去法で答えを導くことはできるかもしれません。

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02

技術士倫理要項に関する問題です。

選択肢4. よく知らされたうえでの同意を与えることができない人々

適切です。

技術者倫理における公衆とは、技術的な業務やサービス内容をよく知ることができずに、同意を与えることができない人のことをいいます。

まとめ

そんなところを意識して勉強しないので、難しいと思います。

情報的に不利な人、と考えるとよいかもしれません。

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03

技術者倫理における「公衆」とは、技術上の判断や行為によって直接または間接に影響を受ける立場にあるものの、その内容を十分に理解して自ら判断・同意することが難しい人々を意味します。したがって、技術者には、専門知識を持たない一般市民の生命・健康・福祉を守るという最優先の責任が求められます。

 

選択肢4. よく知らされたうえでの同意を与えることができない人々

上記の公衆の定義から、「よく知らされたうえでの同意を与えることができない人々」が最も適切な選択肢となります。

他の選択肢には本問の趣旨と外れたキーワードが入っており、消去法で比較することでも判断できるかと思います。

 

根拠文献は以下の通りです。

日本技術者教育認定機構(JABEE)「技術者倫理」基準(2023年度版)

日本技術士会『技術者倫理ハンドブック』(2012年)第1章「公衆の定義」

「公衆とは、技術的な行為の結果に影響を受ける立場にありながら、十分な情報や知識を持たず、自らの安全に関して適切な判断・同意を行えない人々を指します。」

まとめ

最も適切な解答は、「よく知らされたうえでの同意を与えることができない人々」です。

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