技術士 過去問
令和3年度(2021年)
問36 (適性科目 問36)
問題文
以下に示す(ア)〜(コ)の記述のうち、AIの利活用者が留意すべき原則にあきらかに該当しないものの数を選べ。
(ア)適正利用の原則
(イ)適正学習の原則
(ウ)連携の原則
(エ)安全の原則
(オ)セキュリティの原則
(カ)プライバシーの原則
(キ)尊厳・自律の原則
(ク)公平性の原則
(ケ)透明性の原則
(コ)アカウンタビリティの原則
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問題
技術士試験 令和3年度(2021年) 問36(適性科目 問36) (訂正依頼・報告はこちら)
以下に示す(ア)〜(コ)の記述のうち、AIの利活用者が留意すべき原則にあきらかに該当しないものの数を選べ。
(ア)適正利用の原則
(イ)適正学習の原則
(ウ)連携の原則
(エ)安全の原則
(オ)セキュリティの原則
(カ)プライバシーの原則
(キ)尊厳・自律の原則
(ク)公平性の原則
(ケ)透明性の原則
(コ)アカウンタビリティの原則
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は1で「不適切なものはない」=「すべて該当する」になります。
この手の出題形式を「羅列型」と呼んでいますが、よほど変な項目がない限りすべて正しいものと判断してよいと思います。
2019年3月公表の「人間中心のAI社会原則」とは以下の文献です。
https://www8.cao.go.jp/cstp/aigensoku.pdf
抜粋すると以下のように書いてあります。
AI 社会原則
(1)人間中心の原則、(2)教育・リテラシーの原則、(3)プライバシー確保の原則 (4)セキュリティ確保の原則、(5)公正競争確保の原則 (6)公平性、説明責任及び透明性の原則、(7)イノベーションの原則
たとえば「安全の原則」は上記に含まれてませんが、序文やイノベーションの項目で言及があります。
アカウンタビリティは説明責任のことですし、尊厳については基本理念で言及があります。
全ては書ききれませんが、文献でいずれも言及されているため正解は1となります。
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02
AI利活用の原則に関する基礎的問題ですが、
サービス問題で且つ、ひっかけ問題とも言えます。
なお問題文をよく読めば回答は比較的に簡単かと思います。
ア~コまでの記述は、全て利活用の原則に該当しています。
なお、国の統合イノベーション戦略推進会議にて、
AI社会原則*についても公開されています。
*https://www8.cao.go.jp/cstp/aigensoku.pdf
ア~コの記述が全て該当しますから、本選択肢が正解です。
今後同様な問題が出る可能性もありますので、国の上記資料を一度読んでおくことをお薦めします。
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03
「人間中心のAI社会原則」は、AI技術の研究開発やその活用が社会全体に与える影響を考慮しながら、人間を中心に据えた信頼性の高いAI社会の実現を目指してまとめられた基本理念です。この考え方を基盤として、政府はAIを開発・提供・利用する事業者や組織が守るべき方向性を示すために「AI利活用原則」を策定し、AIの利用者が意識すべき7つの基本原則を提示しています。
① 適正利用の原則
AIを法令や倫理に反しない形で正しく活用すること。
② 安全の原則
AIシステムの運用に際して、安全性の確保やリスクへの適切な対応を図ること。
③ セキュリティの原則
サイバー攻撃などの脅威に対し、防御策を講じて安全を維持すること。
④ プライバシーの原則
個人情報や機微なデータを適切に管理・保護すること。
⑤ 尊厳・自律の原則
人間の尊厳と意思決定の自律性を尊重すること。
⑥ 公平性の原則
差別や偏りのない公正なAIの運用を行うこと。
⑦ 透明性・アカウンタビリティの原則
AIの判断過程や根拠を明確にし、説明責任と透明性を確保すること。
それでは、上記の7項目とAIの利活用者が留意すべき原則との整合性を考えてみましょう。
これらの7項目は、正式に定められた「AI利活用原則」に基づくものであり、名称上は「適正学習の原則」や「連携の原則」は含まれていません。但し、2018年時点の検討段階(ドラフト版)では、それらの理念に相当する考え方が示されていた経緯があります。そのため、設問にある「AIの利活用者が留意すべき原則に明らかに該当しないもの」という観点から判断すると、(イ)適正学習の原則および(ウ)連携の原則は、広い意味ではAI社会原則やその原案の精神と整合しており、完全に除外すべきとは言い切れません。
したがって、基礎となる「人間中心のAI社会原則」を含めて全体を考慮すれば、(ア)~(コ)までのすべての項目は、AIの健全な利活用において重視すべき理念として位置づけることが妥当といえます。
(ア)~(コ)の項目で、AIの利活用者が留意すべき原則にあきらかに該当しないものは0となります。
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