技術士 過去問
令和3年度(2021年)
問41 (適性科目 問41)
問題文
再生可能エネルギーに関する次の(ア)〜(オ)の記述のうち、正しいものは◯、誤っているものは×として、最も適切な組合せはどれか。
(ア)石炭は、古代原生林が主原料であり、燃焼により排出される炭酸ガスは、樹木に吸収され、これらの樹木から再び石炭が作られるので、再生可能エネルギーの1つである。
(イ)空気熱は、ヒートポンプを利用することにより温熱供給や冷熱供給が可能な、再生可能エネルギーの1つである。
(ウ)水素燃料は、クリーンなエネルギーであるが、天然にはほとんど存在していないため、水や化石燃料などの各種原料から製造しなければならず、再生可能エネルギーではない。
(エ)月の引力によって周期的に生じる潮汐の運動エネルギーを取り出して発電する潮汐発電は、再生可能エネルギーの1つである。
(オ)バイオガスは、生ゴミや家畜の糞尿を微生物などにより分解して製造される生物資源の1つであるが、再生可能エネルギーではない。
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問題
技術士試験 令和3年度(2021年) 問41(適性科目 問41) (訂正依頼・報告はこちら)
再生可能エネルギーに関する次の(ア)〜(オ)の記述のうち、正しいものは◯、誤っているものは×として、最も適切な組合せはどれか。
(ア)石炭は、古代原生林が主原料であり、燃焼により排出される炭酸ガスは、樹木に吸収され、これらの樹木から再び石炭が作られるので、再生可能エネルギーの1つである。
(イ)空気熱は、ヒートポンプを利用することにより温熱供給や冷熱供給が可能な、再生可能エネルギーの1つである。
(ウ)水素燃料は、クリーンなエネルギーであるが、天然にはほとんど存在していないため、水や化石燃料などの各種原料から製造しなければならず、再生可能エネルギーではない。
(エ)月の引力によって周期的に生じる潮汐の運動エネルギーを取り出して発電する潮汐発電は、再生可能エネルギーの1つである。
(オ)バイオガスは、生ゴミや家畜の糞尿を微生物などにより分解して製造される生物資源の1つであるが、再生可能エネルギーではない。
- ア:○ イ:○ ウ:○ エ:○ オ:○
- ア:○ イ:× ウ:○ エ:× オ:○
- ア:× イ:○ ウ:○ エ:○ オ:×
- ア:× イ:○ ウ:× エ:○ オ:×
- ア:× イ:× ウ:× エ:× オ:○
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は3です。
つまり「〇〇は再生可能エネルギーですか?」というのに答えられれば良いということです。
再生可能エネルギーの定義を見てみますと「エネルギー供給事業者による非化石エネルギー減の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律」に定義が規定されています。
覚えづらいという方は「自然の力を使うもの+バイオマス」と覚えておくとよいと思います。
上記を踏まえて選択肢を考えてみます。
(ア)誤り:
化石エネルギーは再生可能エネルギーではありません。
(イ)正しい:
空気熱は自然の力なので正しいです。
(ウ)正しい:
一見クリーンなイメージが強い水素燃料ですが、現在では水素を生成するのに化石燃料などの各種原料から製造しなければならないという記載のとおりです。再生可能エネルギーではありません。
(エ)正しい:
潮汐発電は、再生可能エネルギーです。
(オ)誤り:
バイオガス(バイオマス)は再生可能エネルギーです。これだけややこしいので上記の通り別格として覚えておいてください。
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02
再生可能エネルギーの起源や定義に関する問題となります。以下の選択肢それぞれについて解説します。
石炭は再生可能エネルギーではありません。またバイオガスは再生可能エネルギーなので、記載は間違いです。従って、この選択肢は間違いとなります。
石炭は再生可能エネルギーではありませんが、空気熱は同エネルギーのひとつです。また潮汐発電は、再生可能エネルギーで、バイオガスも同様です。従って、この選択肢は間違いとなります。
この選択肢の記載は全て正しく、これが正解です。
水素燃料は、1次エネルギーを使って水素を作る工程が必要であり、再生可能エネルギーではありません。従って、この選択肢は間違いとなります。
空気熱は再生可能エネルギーで、潮汐発電も同様です。従って、この選択肢は間違いとなります。
水素燃料製造工程での投入エネルギー課題など、再生可能エネルギーと間違いやすいポイントを事前に整理しておきましょう。
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03
再生可能エネルギー(Renewable Energy)とは、自然界に存在するエネルギーを利用し、短期間で再生・循環可能なエネルギー源を指します。代表的なものとして、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス、海洋(潮汐・波力など)エネルギーが挙げられます。
但し、再生可能エネルギーには、天候や時間帯によって出力が変動するなど、安定供給性やコスト面での課題が依然として存在します。そのため、蓄電技術の開発や電力システムの柔軟化が今後の鍵とされています。
(ア)×
石炭は、数億年前の植物(原生林など)が地中に埋没し、長期間の地圧・熱作用を受けて生成された化石燃料です。その再生には数千万年以上の時間が必要であり、人間の利用スパンでは再生不可能です。したがって、石炭は再生可能エネルギーではなく、非再生エネルギーに分類されます。
(イ)〇
空気中には太陽エネルギーなどによって常に熱が存在しており、その空気熱をヒートポンプで集めて暖房や給湯に利用することができます。空気熱・地中熱・水熱を利用するヒートポンプは、一定条件下で再生可能エネルギーとして扱われています。
(ウ)〇
水素は燃焼してもCO₂を排出しないため、「クリーンエネルギー」と呼ばれます。
しかし、水素そのものはエネルギー源ではなく「エネルギーキャリア(運搬手段)」です。
また、天然にはほとんど存在しないため、水の電気分解や化石燃料からの製造によって生成されます。したがって、水素燃料は製造方法によって環境性が異なり、それ自体は再生可能エネルギーには分類されません。
(エ)〇
潮汐発電は、月や太陽の引力によって起こる潮の満ち引きを利用して発電する方式です。
潮汐は地球の自転や月の運動とともに周期的・永続的に発生する現象であり、エネルギー源が枯渇しないため、再生可能エネルギーに分類されます。
(オ)×
バイオガスは、生ごみ・下水汚泥・家畜排せつ物などを微生物の働きで分解して得られるメタンガス(CH₄)です。原料が再生可能な有機物であるため、バイオマスエネルギーの一種として再生可能エネルギーに分類されます。
正しい組合せは、ア:× イ:〇 ウ:〇 エ:〇 オ:× となります。
再生可能エネルギーの定義、分類に関する基本的な設問です。
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