技術士 過去問
令和7年度(2025年)
問25 (基礎科目「環境・エネルギー・技術に関するもの」 問1)

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問題

技術士試験 令和7年度(2025年) 問25(基礎科目「環境・エネルギー・技術に関するもの」 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

令和6年度版環境・循環型社会・生物多様性白書に記載された、我が国の近年の気候変動への取組に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  • 温室効果ガス観測技術衛星を用いて全球の温室効果ガス濃度の継続的な観測を行っている。
  • 地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度により、温室効果ガスを一定量以上排出する事業者に、毎年度、排出量を国に報告することを義務付けている。
  • オゾン層保護の観点から、CFCやHCFCからHFCsへの転換が進行したが、HFCsは強力な温室効果ガスであることから回収・適正処理等が求められている。
  • 2030年度以降新築される住宅及び建築物について、ZEH(ゼッチ)・ZEB(ゼブ)基準の水準の省エネルギー性能の確保を目指し、政府はZEH・ZEB化に対する補助事業を実施している。
  • 海草や海藻といった沿岸及び海洋の生態系は、光合成を行う際に二酸化炭素を吸収・固定できることからブルーカーボン生態系として注目されているが、我が国の温室効果ガス排出・吸収量として国連へ報告するには至っていない。

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この過去問の解説 (3件)

01

令和6年版白書では、日本は2022年度の温室効果ガス排出・吸収量の国連報告で、海草藻場と海藻藻場の吸収量を合わせて世界で初めて報告したとされています。

選択肢1. 温室効果ガス観測技術衛星を用いて全球の温室効果ガス濃度の継続的な観測を行っている。

これは適切です。

令和6年版白書には、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)や「いぶき2号」(GOSAT-2)によって、全球の温室効果ガス濃度の継続的な観測を行っていることが書かれています。

選択肢2. 地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度により、温室効果ガスを一定量以上排出する事業者に、毎年度、排出量を国に報告することを義務付けている。

これは適切です。

令和6年版白書には、一定量以上の温室効果ガスを排出する事業者に、毎年度、排出量を国に報告することを義務付けていると、そのまま書かれています。

選択肢3. オゾン層保護の観点から、CFCやHCFCからHFCsへの転換が進行したが、HFCsは強力な温室効果ガスであることから回収・適正処理等が求められている。

これは適切です。

白書では、CFCやHCFCからHFCsへの転換が進んだこと、そしてHFCsはオゾン層を破壊しないが温室効果の高いガスであることが示されています。

また、回収されたフロン類は破壊又は再生の方法で適正処理されるとされています。

選択肢4. 2030年度以降新築される住宅及び建築物について、ZEH(ゼッチ)・ZEB(ゼブ)基準の水準の省エネルギー性能の確保を目指し、政府はZEH・ZEB化に対する補助事業を実施している。

これは適切です。

令和6年版白書には、2030年度以降に新築される住宅・建築物について、ZEH・ZEB基準の水準の省エネルギー性能の確保を目指すことが書かれています。

また、ZEBの実証事業ZEHの普及支援など、政府の支援策についても示されています。

選択肢5. 海草や海藻といった沿岸及び海洋の生態系は、光合成を行う際に二酸化炭素を吸収・固定できることからブルーカーボン生態系として注目されているが、我が国の温室効果ガス排出・吸収量として国連へ報告するには至っていない。

これは不適切です。

前半の、海草や海藻が二酸化炭素を吸収・固定するためブルーカーボン生態系として注目されているという部分は合っています。

ですが後半が違います。

令和6年版白書では、日本は2024年の国連報告で、海草藻場と海藻藻場の吸収量を合わせて報告したと明記されています。

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02

令和6年度版環境・循環型社会・生物多様性白書に記載された、我が国の近年の気候変動への取組に関する問題です。

選択肢1. 温室効果ガス観測技術衛星を用いて全球の温室効果ガス濃度の継続的な観測を行っている。

「令和6年度版環境・循環型社会・生物多様性白書」の内容に沿った記述です

選択肢2. 地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度により、温室効果ガスを一定量以上排出する事業者に、毎年度、排出量を国に報告することを義務付けている。

「令和6年度版環境・循環型社会・生物多様性白書」の内容に沿った記述です

選択肢3. オゾン層保護の観点から、CFCやHCFCからHFCsへの転換が進行したが、HFCsは強力な温室効果ガスであることから回収・適正処理等が求められている。

「令和6年度版環境・循環型社会・生物多様性白書」の内容に沿った記述です

選択肢4. 2030年度以降新築される住宅及び建築物について、ZEH(ゼッチ)・ZEB(ゼブ)基準の水準の省エネルギー性能の確保を目指し、政府はZEH・ZEB化に対する補助事業を実施している。

「令和6年度版環境・循環型社会・生物多様性白書」の内容に沿った記述です

選択肢5. 海草や海藻といった沿岸及び海洋の生態系は、光合成を行う際に二酸化炭素を吸収・固定できることからブルーカーボン生態系として注目されているが、我が国の温室効果ガス排出・吸収量として国連へ報告するには至っていない。

 

海草や海藻のような沿岸や海洋の生態系は、光合成を行う際に二酸化炭素を吸収・固定できるため、「ブルーカーボン生態系」として、地球温暖化対策の新切り札の一つです。2022年度の温室効果ガス排出・吸収量の国連への報告では、ブルーカーボン生態系の海草藻場や海藻藻場の吸収量を算定しCO2値を報告し、環境配慮型コンクリートの吸収量(CO2固定量)を算定し、CO2の値を報告しています

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03

令和6年度版環境・循環型社会・生物多様性白書では、地球温暖化対策として、問題の概要と国際的枠組みの下の取組を記載しています。

気候変動に関する政府間パネルによる科学的知見や我が国の温室効果ガスの排出状況、気候変動枠組条約及び京都議定書などの記述があります。

選択肢1. 温室効果ガス観測技術衛星を用いて全球の温室効果ガス濃度の継続的な観測を行っている。

気候変動に関する科学の発展への貢献と気候変動政策への貢献をミッション目的とした衛星であるGOSATシリーズで観測を行っており、現在運用中のGOSAT(2009年打上)、GOSAT-2(2018年打上)およびGOSAT-GW(2025年打上)で構成されています。

従って、この選択肢は適切です。

選択肢2. 地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度により、温室効果ガスを一定量以上排出する事業者に、毎年度、排出量を国に報告することを義務付けている。

改正された地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)に基づき、平成18年4月1日から、温室効果ガスを多量に排出する者(特定排出者)に、自らの温室効果ガスの排出量を算定し、国に報告することが義務付けられました。

従って、この選択肢は適切です。

選択肢3. オゾン層保護の観点から、CFCやHCFCからHFCsへの転換が進行したが、HFCsは強力な温室効果ガスであることから回収・適正処理等が求められている。

環境省と経済産業省のフロン排出抑制法ポータルサイトによると、CFC、HCFCはオゾン層保護対策として生産・輸入が規制されていますが、温室効果も大きい物質です。
CFC、HCFC の代替として、主に HFCs(代替フロン)への転換を進めてきましたが、HFCsは二酸化炭素の100倍から10,000倍以上の大きな温室効果があります。
地球温暖化の防止のためフロンの排出を抑制するとともに、ノンフロンや温室効果の低い物質に転換していくことが重要となっています。
従って、この選択肢は適切です。

選択肢4. 2030年度以降新築される住宅及び建築物について、ZEH(ゼッチ)・ZEB(ゼブ)基準の水準の省エネルギー性能の確保を目指し、政府はZEH・ZEB化に対する補助事業を実施している。

国土交通省によると、建物の省エネ基準は、遅くとも2030年までにZEH/ZEB水準の省エネ性能に引き上げ予定であり、より高性能な建物が求められています。また、政府はZEH・ZEB化に対する補助事業を実施しています。

従って、この選択肢は適切です。

選択肢5. 海草や海藻といった沿岸及び海洋の生態系は、光合成を行う際に二酸化炭素を吸収・固定できることからブルーカーボン生態系として注目されているが、我が国の温室効果ガス排出・吸収量として国連へ報告するには至っていない。

環境省は2024年に、2022年度の我が国の温室効果ガス排出・吸収量について、世界で初めて、ブルーカーボン生態系の一つである海草藻場及び海藻藻場における吸収量を合わせて算定し、合計約35万トンの値であったことを国連へ報告しました、と発表しています。

従って、この選択肢は不適切です。

まとめ

最新年度の環境・循環型社会・生物多様性白書の項目と概要について覚えておきましょう。

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