技術士 過去問
令和6年度(2024年)
問14 (基礎科目「解析に関するもの」 問2)

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問題

技術士試験 令和6年度(2024年) 問14(基礎科目「解析に関するもの」 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

3次元空間に原点を始点とする2つのベクトル a,b があり、bの大きさ|b|は1である。 a の終点から、bが定める直線への垂線を表すベクトルとして、最も適切なものはどれか。 なお、a・b はaとbの内積、a✕b はaとbの外積を表す。
  • a✕b
  • (b・a)bーa
  • bーa
  • (b・a)b
  • a✕bーa

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この過去問の解説 (2件)

01

本問題のポイントは、ベクトルの内積と外積です。

 

内積a・bは、|a||b|cosθとなるスカラー(方向を持たない値)、

外積a×bは、|a||b|sinθで、aとbに垂直なベクトル

で定義されます。ここで、θはaとbの成す角です。

選択肢1. a✕b

誤りです。外積a×bは「aの終点から、bが定める直線への垂線を表すベクトル」ではありません。

選択肢2. (b・a)bーa

本選択肢が正解です。

 

b・a=|b||a|cosθであり、|b|=1なので、|a|cosθとなります。

したがって、本選択肢は|a|cosθb-aと書き換えることができます。

 

下のイメージ図において、

|a|cosθbは赤点線、「aの終点から、bが定める直線への垂線を表すベクトル」はxとなります。

 

したがって、xは|a|cosθbーaとなります。

<補足:ベクトルの差について>

上図より、a+x=|a|cosθbとなります。

この式から、x=|a|cosθbーaと考えると間違いにくいです。

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02

本設問は、3次元空間において、原点を始点とする2つのベクトル a,b があり、b の大きさは |b|=1(単位ベクトル)としています。a の終点から、b が定める「直線」への垂線を表すベクトルを求めるものです。。

 

ベクトル a を、b の方向成分とそれに垂直な成分に分解します。

 a= a∥+a⊥

ここで、

 a∥:b 方向の成分(b に平行な成分)

 a⊥:b に垂直な成分(垂線ベクトル)

 

・ b 方向の成分

b は単位ベクトルなので、a を b 方向に射影した成分は次式で与えられます。

 a∥= ( a⋅b ) b

 

・ 垂直成分(求めたいベクトル)

垂線ベクトル a⊥は、a から平行成分を引いたものです。

 a⊥= a-a∥ = a-( a⋅b ) b

これは、a の終点から b の定める直線へ下ろした垂線を表すベクトルになります。

 

 

 

選択肢2. (b・a)bーa

選択肢を見てみると

 (b・a) b-a=-(a-(a・b) b)

つまり、方向が逆(符号が反対)です。しかし、垂線ベクトルの向きは「直線に垂直であること」だけが重要で、向き(上下)は任意です。したがって、符号が逆でも同じ方向を表すベクトルです。

上記の解説のとおり、(b・a) b-a が適切です。

まとめ

この問題を解く際のポイントは、「ベクトルの分解」と「射影(プロジェクション)」の考え方を理解しておくことです。また、ベクトルの分解を理解し、射影の式を暗記しておくことが有効と思います。

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