技術士 過去問
令和6年度(2024年)
問16 (基礎科目「解析に関するもの」 問4)

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問題

技術士試験 令和6年度(2024年) 問16(基礎科目「解析に関するもの」 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

下図に示す支持条件の異なる3種類の柱(a)、(b)、(c)を考える。 すべての柱の材料・断面・長さは同じである。 柱(a)、(b)、(c)が図に矢印で示す軸方向荷重を受けるときの座屈荷重をそれぞれPa,Pb,Pcとしたとき、それらの大小関係として、最も適切なものはどれか。
問題文の画像
  • Pa>Pb>Pc
  • Pa>Pc>Pb
  • Pb>Pa>Pc
  • Pb>Pc>Pa
  • Pc>Pa>Pb

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題のポイントは有効座屈長(座屈長さ)です。

有効座屈長とは、座屈荷重を計算するときの部材の仮想の長さのことです。

 

有効座屈長Lkは下記の式で表されます。

Lk=k×L

ここで、kは座屈係数、Lは支点間距離となります。

 

本問題の(a)~(c)の支持条件と座屈係数kは下記のようになります。

(a)単純支持:k=1

(b)上端ピン、下端固定:k=0.7

(c)上端自由、下端固定:k=2

選択肢3. Pb>Pa>Pc

有効座屈長Lkが小さい方が座屈しにくく(座屈荷重が大きく)なります。

したがって、本選択肢が正解です。

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02

座屈とは、細くて長い柱や部材が圧縮力(押す力)を受けたとき、まっすぐのままでは耐えられず、横に曲がってしまう現象のことです。

そのとき、「まっすぐの形状を保てなくなる限界の荷重」を 座屈荷重(臨界荷重) といいます。 座屈荷重は「柱が横方向にたわむことをどれだけ抑えられるか」で決まります。

柱の端が固定されていると、回転や変位が制限され、横方向への変形が起こりにくくなります。

座屈荷重 P​ は、次の式で表されます。

 P = π2 EI / (Lk)2

ここで、

 ・E :ヤング率(弾性係数)

 ・I :弾性二次モーメント

 ・Lk​ :座屈長さ

選択肢3. Pb>Pa>Pc

1. 片持ち柱

柱の下端のみが固定された状態です。

材料・断面・長さがを同じとして、有効長さ係数は2.0ですので

座屈荷重Pcは1 / 2.02 = 0.25 となります。

したがって最小の座屈荷重となります。

 

2. 固定-ピン柱

下端は固定、上端はピンなので、片側は回転できます。有効長さ係数は0.7ですので座屈荷重Pbは1 / 0.72 = 2.04となります。したがって最大の座屈荷重となります。

 

3. 両端ピン柱

両端が自由に回転できるため、たわみやすくなります。有効長さ係数は1.0ですので

座屈荷重Paは1 / 1.02 = 1.0 となります。

 

したがって、上記支持条件の座屈荷重の大小関係は、Pb > Pa > Pc となります。

まとめ

まとめ

座屈については、以下の要点を押さえておきましょう。

・固定端があると、回転を拘束するためたわみが小さくなり、座屈に強くなります。

・ピン端は回転が自由なため、変形しやすく、座屈しやすくなります。

・自由端(固定-自由柱)は最も座屈しやすくなります。

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