技術士 過去問
令和6年度(2024年)
問17 (基礎科目「解析に関するもの」 問5)

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問題

技術士試験 令和6年度(2024年) 問17(基礎科目「解析に関するもの」 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

下図に示すように、2つのばねと1つの質点からなるばね質点系 a,b,cがある。図中のばねのばね定数はすべて同じkであり、また、図中の質点の質量はすべて同じmである。 最小の固有振動数を有するばね質点系として、最も適切なものはどれか。
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  • a のみ
  • b のみ
  • c のみ
  • a と b
  • b と c

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この過去問の解説 (2件)

01

本問題のポイントは、「ばねのつなぎ方と合成ばね係数の関係」と「ばね定数と振動数の関係」です。

 

合成ばね定数Kは下記のようになります。

a(並列型): K=k+k

b(サンドイッチ型): K=k+k

c(直列型): 1/K=1/k+1/k

 

また、ばね定数と振動数fには下記の関係があります。

f=1/2π√(K/m)

ここでmは質点の質量です。

選択肢3. c のみ

したがって本選択肢が正解です。

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02

この問題はばね定数の合成固有振動数の関係を理解していれば解ける典型的な振動問題です。

図のように、ばね定数 k のばねを2本使い、質量 m の質点を取り付けた3つのばね質点系 a、b、c があります。それぞれの配置において、最も小さい固有振動数を持つものを求めます。

k が小さいほど、ばねは柔らかく、振動数は小さくなります。

k​ が大きいほど、ばねは硬く、振動数は大きくなります。

 

選択肢3. c のみ

(a) 系a:並列接続

質点 mに2本のばね(定数 k、k)が並列に取り付けられています。

したがって合成ばね定数は:

 keq,a = k + k= 2k

ここで keq は、質点に作用する合成ばね定数(等価ばね定数)です。

 

(b) 系b:左右にばね、両端固定(中央に質点)

質点が中央にあり、左右に同じばね k がついていて、両端が壁に固定されています。

質点が右にわずかに変位 x したとき、

左ばねは伸びる(復元力 = -kx)、右ばねは縮む(復元力 = −kx)。

したがって合計の復元力は:

 F=-kx-kx=-2kx

よって:

 keq,b = 2k

 

(c) 系c:直列接続

質点に2本のばねが直列に取り付けられています。
等価ばね定数は:

 1/keq,c = 1/k + 1/k = 2/k

したがって、最も固有振動数が小さい系は(c)となります。

まとめ

系cは、2つのばねが直列に接続されており、見かけ上「柔らかい1本のばね」として振る舞います。

直列接続では、全体として変形が大きくなるため、同じ力に対して変位が大きく、合成ばね定数が小さくなります。

その結果、振動数(ばねの硬さの平方根に比例)は最も小さくなります。

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