技術士 過去問
令和6年度(2024年)
問20 (基礎科目「材料・化学・バイオに関するもの」 問2)

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問題

技術士試験 令和6年度(2024年) 問20(基礎科目「材料・化学・バイオに関するもの」 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

2価の多原子イオンを含む化合物として、最も適切なものはどれか。
  • 硫化銀
  • 水酸化ナトリウム
  • 硫酸アンモニウム
  • 硝酸鉛(II)
  • リン酸カルシウム

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この過去問の解説 (2件)

01

1個の原子からなるイオンを単原子イオン、複数の原子からなるイオンを多原子イオンをいいます。

選択肢を見てみましょう。

選択肢1. 硫化銀

×

硫化銀(Ag2S)は銀イオン(Ag+)と硫化イオン(S2-)で構成されます。

硫化イオンは2価ですが、単原子イオンなので、誤りです。

選択肢2. 水酸化ナトリウム

×

水酸化ナトリウム(NaOH)はナトリウムイオン (Na+) と水酸化物イオン (OH) で構成されます。

水酸化物イオンは1価の単原子イオンなので、誤りです。

選択肢3. 硫酸アンモニウム

本選択肢が正解です。

硫酸アンモニウム((NH4)2SO4)はアンモニウムイオン(NH4+)と硫化イオン(SO42-)で構成されます。

硫酸イオンは2価の多原子イオンなので、正解です。

選択肢4. 硝酸鉛(II)

×

硝酸鉛(II)(Pb(NO3)2)は鉛イオン (Pb2+) と硝酸イオン (NO3) から構成されます。

硝酸イオンは1価の多原子イオンなので、誤りです。

選択肢5. リン酸カルシウム

×

リン酸カルシウム(Ca3(PO4)2)はカルシウムイオン (Ca2+) とリン酸イオン (PO43−) から構成されます。

リン酸イオンは3価の多原子イオンです。

まとめ

「2価」と「多原子イオン」の両方を満たす必要があることに注意しましょう。

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02

本設問では、多原子イオンとその価数に関する理解が問われています。

多原子イオンとは、2個以上の原子が共有結合で結びつき、全体として電荷を持つイオンのことを指します(例:硫酸イオン(SO₄²⁻)、炭酸イオン(CO₃²⁻)、水酸化物イオン(OH⁻)、アンモニウムイオン(NH₄⁺)など)。

設問では、これらの中で2価の多原子イオン(=電荷が±2で、かつ複数の原子で構成されるイオン)を含む化合物を選ぶことが求められています。

各選択肢を見てみましょう。

選択肢1. 硫化銀

不適切。

硫化銀(Ag₂S)のイオン構成は、Ag⁺ と S²⁻です。

S²⁻は2価イオンですが、単原子イオン(硫黄原子1個のみ)であるため、多原子イオンではありません。

 

選択肢2. 水酸化ナトリウム

不適切。

水酸化ナトリウム(NaOH)のイオン構成は、Na⁺とOH⁻です。

OH⁻(水酸化物イオン)は多原子イオンですが、1価(−1)であり、2価ではありません。

選択肢3. 硫酸アンモニウム

適切。

硫酸アンモニウム(NH₄)₂SO₄)のイオン構成は、NH₄⁺(アンモニウムイオン)と SO₄²⁻(硫酸イオン)で構成されています。SO₄²⁻は 2価の多原子イオン(SとOから構成)になります。

選択肢4. 硝酸鉛(II)

不適切。

硝酸鉛Pb(NO₃)₂のイオン構成は、Pb²⁺とNO₃⁻です。

NO₃⁻(硝酸イオン)は多原子イオンですが、1価(−1)であり、Pb²⁺ は2価ですが、単原子イオン(Pb原子1個)です。

 

 

選択肢5. リン酸カルシウム

不適切。

リン酸カルシウムCa₃(PO₄)₂)のイオン構成は、Ca²⁺とPO₄³⁻です。

PO₄³⁻(リン酸イオン)は多原子ですが、3価(−3)です。

まとめ

多原子イオンは複数の原子でできたイオンであり、そのうち 2価の代表例はSO₄²⁻(硫酸イオン)とCO₃²⁻(炭酸イオン)です。

したがって、この設問では硫酸アンモニウム((NH₄)₂SO₄)が正解です。

 

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