技術士 過去問
令和6年度(2024年)
問37 (適性科目 問7)

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問題

技術士試験 令和6年度(2024年) 問37(適性科目 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

技術者にとって労働者の安全衛生を確保することは重要な使命の1つである。労働安全衛生法は 「職場における労働者の安全と健康を確保」 するとともに、「快適な職場環境を形成」する目的で制定されたものである。
安全と衛生に関する次の記述のうち、正しいものは◯、誤っているものは✕として、最も適切な組合せはどれか。

(ア)労働災害が発生する原因は、労働者の不安全行動の他、機械や物の不安全状態があると考えられ、災害防止には不安全な行動・不安全な状態を無くす対策を講じることが重要である。
(イ)ハインリッヒの法則では、「同じ人間が起こした330件の災害のうち、1件は重い災害があったとすると、29回の軽傷、傷害のない事故を300回起こしている」というもので、300回の無傷害事故の背後には数千の不安全行動や不安全状態があることも指摘している。
(ウ)ヒヤリハット活動は、作業中に「ヒヤっとした」 「ハッとした」 危険有害情報を活用する災害防止活動である。 情報は、朝礼などの機会に報告するようにし、「情報提供者を責めない」 職場ルールでの実施が基本となる。
(エ)安全の4S活動は、職場の安全と労働者の健康を守り、そして生産性の向上を目指す活動として、整理(Seiri)、整頓(Seiton)、洗浄(Senjou)、清潔(Seiketsu)がある。
(オ)安全データシート(SDS:Safety Data Sheet)は、化学物質及び化学物質を含む混合物を譲渡又は提供する際に、その化学物質の物理化学的性質や危険性・有害性及び取扱いに関する情報を化学物質等の譲渡又は提供する相手方に提供するための文書である。
  • ア:◯  イ:◯  ウ:◯  エ:✕  オ:✕
  • ア:◯  イ:◯  ウ:✕  エ:✕  オ:◯
  • ア:✕  イ:✕  ウ:✕  エ:◯  オ:◯
  • ア:◯  イ:◯  ウ:◯  エ:✕  オ:◯
  • ア:✕  イ:✕  ウ:✕  エ:◯  オ:✕

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この過去問の解説 (2件)

01

安全と衛生に関する問題です。労働安全衛生法は下記で閲覧できます。

https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000057

 

(ア)~(オ)の〇×は下記のようになります。

(ア)〇

(イ)〇

(ウ)〇

(エ)×

安全の4S活動は、整理(Seiri)、整頓(Seiton)、清掃(Seisou)、清潔(Seiketsu)です。

(オ)〇

選択肢4. ア:◯  イ:◯  ウ:◯  エ:✕  オ:◯

したがって、本選択肢が正解です。

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02

この問題は、労働安全衛生法の基本理念と、それに関連する安全管理・災害防止の理論(ハインリッヒの法則、ヒヤリハット活動、4S活動、SDS制度)に関する理解を問うものです。

各選択肢の正誤を判断し、最も適切な組合せを選びます。

 

(ア)〇

労働災害の原因は一般に「不安全行動」と「不安全状態」に大別されます。

災害防止のためには、両者を取り除く「安全管理・教育」「設備改善」などの対策が基本です。教科書的にも正しい記述です。

 

(イ)〇

ハインリッヒの法則(1:29:300の法則)は、「1件の重大災害の背後には、29件の軽微な災害と300件のヒヤリハットが存在する」という統計的経験則です。

この法則は同一人物の事例ではなく、多数の事例の統計的傾向として提唱されたものですが、問題文の主旨(災害の背後には多くの不安全行動がある)としては正しい理解です。

 

(ウ)〇

ヒヤリハット活動とは、事故には至らなかったが、ヒヤリとした・ハッとした体験を共有する活動で、事故の芽を早期に摘み取る目的があります。

また、「報告者を責めない風土づくり」が重要であり、これは正しい内容です。

 

(エ)×

正しい4S活動は、整理・整頓・清掃・清潔です。問題文では「清掃」が「洗浄」と記載されていることが誤りです。

 

(オ)〇

SDSは、化学物質の危険有害性・取扱方法等を提供する文書であり、労働安全衛生法および化学物質管理制度に基づいて義務付けられています。

したがって、この記述は正しいです。

選択肢4. ア:◯  イ:◯  ウ:◯  エ:✕  オ:◯

したがって、ア:◯ イ:◯ ウ:◯ エ:✕ オ:◯ が適切な組合せになります。

まとめ

労働安全衛生の基本である、

・ 不安全行動・不安全状態の排除、

・ ハインリッヒの法則に基づく未然防止、

・ ヒヤリハットの共有と安全風土の醸成、

・ 職場の4S活動(整理・整頓・清掃・清潔)、

・ SDSによる化学物質リスク管理

について、総合的な取組みへの理解を深めましょう。

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