技術士 過去問
令和6年度(2024年)
問43 (適性科目 問13)

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問題

技術士試験 令和6年度(2024年) 問43(適性科目 問13) (訂正依頼・報告はこちら)

労働安全衛生法における安全並びにリスクに関する次の記述のうち、正しいものは◯、誤っているものは✕として、最も適切な組合せはどれか。

(ア)リスクアセスメントとは、作業における危険性又は有害性を特定し、それによる労働災害(健康障害を含む)の重篤度(被災の程度)とその災害が発生する可能性の度合いを組合せてリスクを見積もり、そのリスクの大きさに基づいて対策の優先度を決めたうえで、リスクの除去又は低減の措置を検討し、その結果を記録する一連の手法をいう。
(イ)危険性または有害性等の調査等に対して、過去に労働災害が発生した作業、危険な事象が発生した作業等、労働者の就業に係る危険性又は有害性による負傷又は疾病の発生が合理的に予見可能であるものは調査等の対象となるが、平坦な通路における歩行等、明らかに軽微な負傷又は疾病しかもたらさないと予想されるものについては、調査等の対象から除外して差し支えない。
(ウ)事業者は、作業標準等に基づき、労働者の就業に係る危険性又は有害性を特定するために必要な単位で作業を洗い出したうえで、各事業場における機械設備や作業等に応じて、あらかじめ定めた危険性又は有害性の分類に則して、各作業における危険性又は有害性を特定するが、特定に当たっては、労働者の疲労等の危険性又は有害性への付加的影響を考慮するものとする。
(エ)事業者は、リスク低減措置の検討に当たって、リスク低減に要する負担が、リスク低減による労働災害防止効果と比較して大幅に大きく、両者に著しい不均衡が発生する場合であって、措置を講ずることを求めることが著しく合理性を欠くと考えられるときを除き、可能な限り高い優先順位のリスク低減措置を実施する必要があるが、死亡、後遺障害又は重篤な疾病をもたらすおそれのあるリスクに対して、適切なリスク低減措置の実施に時間を要する場合は、暫定的な措置を直ちに講ずるものとする。
  • ア:✕  イ:◯  ウ:◯  エ:◯
  • ア:◯  イ:✕  ウ:◯  エ:◯
  • ア:◯  イ:◯  ウ:✕  エ:◯
  • ア:◯  イ:◯  ウ:◯  エ:✕
  • ア:◯  イ:◯  ウ:◯  エ:◯

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この過去問の解説 (2件)

01

安全やリスクに関する問題です。労働安全衛生法は下記で閲覧できます。

https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000057

(ア)~(エ)の〇×は下記のようになります。

 

(ア):〇

リスクアセスメントの定義を問う問題です。説明は設問の通りです。

(イ):〇

(ウ):〇

(エ):〇

選択肢5. ア:◯  イ:◯  ウ:◯  エ:◯

したがって本選択肢が正解です。

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02

本設問は、労働安全衛生法に基づく「安全」と「リスク」に関する基本的理解を問うものです。

リスクアセスメントは、労働災害防止の中核的手法として位置づけられており、危険性や有害性を科学的・体系的に把握して、優先的に対策を講じることが求められます。

 

(ア)〇

リスクアセスメントでは、定義として「危険性・有害性の特定 → リスクの見積り → リスクの評価 → リスク低減措置の検討・実施 → 結果の記録」というプロセスが明確にされています。

本記述はこれを忠実に反映しており、内容的にも完全に適合しています。

 

(イ)〇

労働安全衛生法では、調査の対象を「労働者の就業に係る危険性または有害性により負傷または疾病の発生が合理的に予見されるもの」と定義しています。

但し、明らかに軽微な負傷等しかもたらさないもの(例:平坦な通路での通常歩行)は除外してよいとされています。

したがって、記述は正確です。

 

(ウ)〇

リスクアセスメントでは、作業単位を整理し、設備・作業ごとに危険性・有害性を特定することが求められます。

また、労働安全衛生法では、「疲労、作業環境条件、作業姿勢、経験不足等による付加的な影響を考慮する」旨が明記されています。

したがって、本記述も正しい内容です。

 

(エ)〇

リスク低減措置は、「実現可能な限り高い優先順位のものを講じる」ことが原則です。

但し、費用対効果の観点から「著しく合理性を欠く場合」は例外とされ、これも労働安全衛生法の趣旨に一致します。

また、「死亡・重篤災害のおそれがある場合には暫定措置を講ずる」旨も記載されています。

したがって、本記述はすべて指針に合致し、正しいものです。

選択肢5. ア:◯  イ:◯  ウ:◯  エ:◯

適切な組合せは、 ア:◯ イ:◯ ウ:◯ エ:◯ となります。

 

まとめ

この問題は、単なる定義暗記ではなく、リスクアセスメント指針の実務的理解(現場での適用)を問うものです。

実際の試験や実務では、「除外してよい対象」や「暫定措置の要否」といった判断基準を明確に理解しているかが評価されます。

 

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