技術士 過去問
令和6年度(2024年)
問44 (適性科目 問14)
問題文
製造物責任法に関する次の記述のうち、正しいものは〇、誤っているものは✕として、最も適切な組合せはどれか。
(ア)この法律の対象となる「製造物」とは、製造又は加工された動産であることと定義されているため、電気、音響、サービスは、対象とならない。
(イ)走行中の自動二輪車から煙が上がり走行不能となったが、当該自動二輪車以外には人的又は物的被害が生じなかった場合については、この法律の対象とならない。
(ウ)この法律において、「製造業者等」とは、業として製造物を製造、加工した者を指すため、OEM(相手先ブランドによる製品の製造)先の販売者は、「製造業者等」と見なされることはない。
(工)劣化、破損等により修理等では使用困難な状態となった製造物の一部を利用して形成された再生品は、この法律の対象となる。
(オ)製造又は加工された健康食品は、この法律の対象となるが、医薬品は、この法律の対象とはならない。
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
技術士試験 令和6年度(2024年) 問44(適性科目 問14) (訂正依頼・報告はこちら)
製造物責任法に関する次の記述のうち、正しいものは〇、誤っているものは✕として、最も適切な組合せはどれか。
(ア)この法律の対象となる「製造物」とは、製造又は加工された動産であることと定義されているため、電気、音響、サービスは、対象とならない。
(イ)走行中の自動二輪車から煙が上がり走行不能となったが、当該自動二輪車以外には人的又は物的被害が生じなかった場合については、この法律の対象とならない。
(ウ)この法律において、「製造業者等」とは、業として製造物を製造、加工した者を指すため、OEM(相手先ブランドによる製品の製造)先の販売者は、「製造業者等」と見なされることはない。
(工)劣化、破損等により修理等では使用困難な状態となった製造物の一部を利用して形成された再生品は、この法律の対象となる。
(オ)製造又は加工された健康食品は、この法律の対象となるが、医薬品は、この法律の対象とはならない。
- ア:◯ イ:✕ ウ:✕ エ:◯ オ:✕
- ア:✕ イ:✕ ウ:◯ エ:✕ オ:◯
- ア:◯ イ:◯ ウ:✕ エ:◯ オ:✕
- ア:◯ イ:✕ ウ:◯ エ:✕ オ:◯
- ア:✕ イ:◯ ウ:✕ エ:◯ オ:✕
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (2件)
01
製造物責任法(PL法)は下記サイトで閲覧できます。
https://laws.e-gov.go.jp/law/406AC0000000085/
(ア)~(オ)の〇×は下記のようになります。
(ア):〇
この法律の対象となる「製造物」とは、製造又は加工された動産(動かせるもの)であることと定義されています。
PL法の第二条に記載されています。
(イ):〇
PL法は、製造物の欠陥によって「他人の生命、身体又は財産を侵害したとき」に適用されます。
PL法の第三条に記載されています。
(ウ):×
OEM先の販売者も「製造業者等」と見なされることがあります。
PL法の第ニ条の3に記載されています。
(エ):〇
一部を利用して形成された再生品であっても、製造物として販売される場合はPL法の対象となります。
PL法の第ニ条に記載されています。
(オ):×
医薬品もPL法の対象となる場合があります。例えば、紅麹を成分とするサプリメントに欠陥があると判断され、自主回収に至った事例が挙げられます。
したがって本選択肢が正解です。
参考になった数42
この解説の修正を提案する
02
本設問は、製造物責任法(PL法)の基本的理解を問う問題です。
PL法は、製造物に欠陥があることによって人の生命・身体・財産に損害が生じた場合、製造業者等が過失の有無に関わらず責任を負うことを定めています。
その目的は、被害者の保護を通じて国民生活の安定と国民経済の健全な発展に寄与することです。
(ア)〇
PL法第2条において、「製造物」とは「製造又は加工された動産」と定義されています。
したがって、電気・ガス・水道・音・サービス等の無体物や非動産は対象外です。
(但し、電気製品自体は物理的製品として対象となります。)
(イ)〇
PL法の損害賠償の対象は、人の生命・身体の損害または他の財産への損害に限られます(PL法第3条)。欠陥製品そのものの損害は対象外です。
したがって、自動二輪車自身が壊れただけで人的・他物的損害がない場合は、PL法の適用外となります。
(ウ)×
PL法第2条第3項では「製造業者等」を「自己の氏名、商号、商標その他の表示をした者、または 製造物の輸入業者も製造業者等とみなす。」と定義しています。
したがって、自社ブランド(OEMブランド)を付して販売している者(販売者)は製造業者等に該当します。
つまり、「OEM先(製造者)」だけでなく、「OEM依頼者(ブランド販売者)」も責任を負う場合があります。
(エ)〇
PL法の対象は「製造又は加工された動産」であり、再生品(例:再生タイヤ、リサイクル家電部品など)も新たに製造・加工されたものとして扱われます。
したがって、再生工程により新しい製造物として市場に提供された場合はPL法の対象となります。
(オ)×
健康食品(加工食品)は製造又は加工された動産は対象となるために、PL法第2条の対象です。一方で、医薬品や医療機器は「薬機法」により特別な安全性評価・責任制度が定められていますが、基本的にはPL法の対象に含まれています。
適切な組合せは、ア:◯ イ:◯ ウ:× エ:◯ オ:× となります。
本設問は、PL法の「定義(第2条)」と「責任範囲(第3条)」に関する基本理解を問う典型的な出題です。
特に、(イ)損害の範囲と(ウ)OEM関係者の責任範囲は、試験の頻出ポイントですので、要点を押さえておきましょう。
参考になった数2
この解説の修正を提案する
前の問題(問43)へ
令和6年度(2024年) 問題一覧
次の問題(問45)へ